説得力

引用

折伏には説得力が必要であります。 説得力が乏とぼしいと、 相手はなかなか信じません。 したがって説得力を身につけなければなりませんが、 いくら言葉が巧たくみであっても、 それだけでは相手は入信しません。

大聖人様は『法ほう蓮れん抄しょう』に、

「凡夫は此の経は信じがたし。 又修行しても何の詮せんかあるべき。 是を持もつて之これを思ふに、 現在に眼前の証拠あらんずる人、此の経を説かん時は信ずる人もありやせん 」 （御書八一四頁）

と仰せのように、折伏に当たって最も説得力があるのは、 信心の功徳を 現げん証しょう として相手に示すことであります。

今、我々の折伏も、 不ふ軽きょう菩ぼ薩さつ の 大だい神じん通づう力りき 、 楽ぎょう説せつ弁べん力りき 、 大だい善ぜん寂じゃく力りき を 目まの当あたりにして、 増ぞう上じょう慢まん の 四し衆しゅう が等しく、 その説くところを聞いて 信しん伏ぷく随ずい従じゅう するに至いたったように、 信心の確かくたる現証を示すことが寛容なのであります。

そのためには、まず自らが 自じ行ぎょう化け他た の信心に励むことであります。 自行化他の信心に励むところ、 必ず自然と妙法の広大なる功徳によって、 我らもまた不軽菩薩と同様に大神通力、楽説弁力、大善寂力を 得えることができるのであります。 （中略）

例えば、 折伏の言葉一つにしても、 自然と楽説弁力の功徳が発揮され、 相手の信頼感を得ることができるのであります。 折伏は、我々の言っていることを相手が信じてくれなければ何もなりません。 相手の信頼に足る言葉、 行い、 意こころがなければ折伏は成就しないのであります。 大御本尊様への絶対信をもって自行化他の信心に励む時、 妙法の広大なる功徳によって、 まず自らが変わり、 自らが変わることによって相手が変わり、 折伏成就に至るのであります。

- 大白法　第一〇一四号